イヌの健康をサポート!【後脚の筋肉の役割と効果的なマッサージ方法】
愛犬ちゃんが「以前よりも歩きたがらない」、「腰が丸くなってきた」、「後ろ脚が歩きにくそう」と感じがことはありますか?もしくは、これからそうなってきたら…と、心配に感じていませんか?
もしかしたら、これらの原因が後脚にかくされているかもしれません。
後脚の筋肉が硬くなってくると「姿勢」や「歩き」に影響を及ぼすからです。
この記事では、なぜ姿勢や歩き方が悪くなっていくのか?を後脚の筋肉に着目して解説してまいります。また、愛犬ちゃんの元気をキープするためのセルフケアもご紹介します。
この記事を書いたひと
犬の整体師
日本ペットアロマホームケア協会認定アドバイザー
日本ペット栄養学会ーペット栄養管理士
分子整合医学美容食育協会ーファスティングマイスター
イヌの後脚の役割
後脚は主に推進力を生みだす機能に特化している。
後脚はアクセル。
前脚はブレーキ。
立ち姿勢の重心割合
前脚重心のため、実は後脚はあまり使われていません。そのため、年齢を重ねると後脚から弱ってくることが多い傾向にあります。ふんばりが効かなくなるのは後脚からなのです。
歩くときの後脚の役割
- イヌが歩くときの前脚と後脚の役割が違う。
- 後脚は推進力を生み出す作用が多い。
- 前脚はブレーキ作用と衝撃吸収作用に関係している。
- 歩く速さが速くなるほど筋肉の活動も大きくなり、収縮するタイミングも変わってくる。
- 歩くには、筋肉の筋肉力、柔軟性、タイミングと骨格の柔軟性が必要。
後脚の筋肉が硬くなるとどうなるの?【「姿勢」や「歩き」に影響する理由】
後脚の筋肉が硬くなると姿勢や歩きに影響を及ぼします。具体的にどんな影響があるのかを解説してまいります。
姿勢への影響
硬くなりやすい筋肉としてハムストリングス(半膜様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の総称)が挙げられます。この筋肉が硬くなるとどうなるか、以下の図を参照しながらみていきましょう。
①ハムストリングスが硬く
なると坐骨が下方に
引かれる。
②骨盤は青矢印の方向に
回転する。
③骨盤の動きに合わせて
胴体も丸くなる。
④顔は上を向きにくく、
うつむいた状態になり
やすい。
歩きへの影響
ハムストリングスが硬くなると胴体も丸くなるメカニズムが働きます。常日頃から身体が丸くなっていると、身体を伸ばす機会が減ってしまいます。そのため、身体を丸めるために働く筋肉は伸ばされる機会が減るため、どんどん硬くなっていく傾向にあります。
イヌが前に進む(歩く)ためには、後脚で地面をけりだします。後脚で地面をけりだすためには身体が伸ばされます。 下の図をご参照ください
後脚で地面を強く蹴りだすと身体は伸ばされる。
もし、身体が丸くなり、筋肉も硬くなっていたら、身体が伸びにくくなる。
そのため、歩きにくくなってしまう。
ヒトも同様に腰が丸くなり伸びなくなると、動作が遅くなり、疲れやすくなります。
後脚の筋肉
半腱様筋腱 半膜様筋
半腱様筋腱
脚が地面についているときは股関節と足根関節を伸ばす。運動時は膝を曲げる。
半膜様筋
脚が地面についているときは股関節を伸ばす。
運動時:前部が股関節を伸ばし、後部が膝を曲げる。
大腿二頭筋 大腿四頭筋
大腿二頭筋
前部:股関節を曲げる+膝を伸ばす。
後部:股関節を伸ばす+膝を伸ばす。
大腿四頭筋
4つの筋肉から構成されているため、四頭筋と呼ばれる。上図の2~4広筋群は膝を伸ばす。大腿直筋は膝を伸ばす+股関節を曲げる。
大腿筋膜張筋 縫工筋
大腿筋膜張筋
股関節を曲げる。膝を伸ばす。
縫工筋
立位で身体を支える筋肉。膝を伸ばす、股関節を曲げる働きがある。
大内転筋・長内転筋 前脛骨筋
大内転筋・長内転筋
股関節を内側に動かす。立位で身体を支える。
前脛骨筋
歩くときの後脚を前に出すときに働く。脚先が引きずらないように足根関節を曲げて持ち上げる。
腓腹筋 骨間筋
腓腹筋
足根関節を伸ばす+膝を曲げる。
骨間筋
各筋が中足趾関節を安定させる。縁の下の力持ちのような筋肉。ヒトでいうと土踏まずをつくる筋肉。
イヌの後脚の筋肉を効果的にマッサージする方法
「コリ」をみつける
筋肉は指先でさわると圧が一点に集中して不快な刺激となるので、包み込むように全体で優しくさわってあげると良いでしょう。
「コリ」を触わると以下のような感覚、感触があります。
- 硬さ: コリを触ると、通常の筋肉よりも硬く感じる。
- 緊張感: コリは緊張している筋肉の結果であり、触るとその緊張感が伝わる。張っているような感じ。
- 密度: コリは通常の筋肉よりも密度が高く、指で触れるとよりしっかりとした感触がある。ボリュームがありもっこりした感じ。
- 滑らかさ: コリは一般的には滑らかな表面ではなく、指先が少し引っかかる感じがある。
- 不快感: コリを触ると、痛みや不快感を伴うことがある。
マッサージ方法
まず最初に全身を「さする」。さすることでリラックスする効果があります。リラックスしていない状態でにいきなり「コリ」に対してマッサージしようとすると痛みを伴うので注意が必要です。
- まずは全身をゆっくりとさする。→愛犬ちゃんにリラックスしてもらう。
- 全身をさすり終えたら、骨盤~後脚の指先までを再度「さする」。
- 筋肉よりも表面にあるヒフから動かしてあげる。
- マッサージしている部分の血行がよくなり温かくなってきたら、筋肉の走行にそって、軽く圧をかけながら筋肉の上を滑らせるようにさすっていく。
- ヒフをやさしく包み込むようにつまんでみる。
- 柔軟性があれば、ヒフをつまんで持ち上げて滑らせたり揺らす。
- 嫌がったり、痛がったりしたらやめる。
- 特に指先は触られるのを嫌がることがあるので注意。
*あまりにも硬かったり痛がったら、触ったまま待つのもあり。触ったまま待っていると徐々に温かくなってほぐれる効果があります。
- 外側だけでなく、内側もさすってあげる
- 時間があれば、身体とセットでマッサージをしてあげると効果的!
- もも裏の筋肉は硬くなりやすいので、やさしくほぐしてあげましょう。
まとめ
- イヌの立ち姿勢は前脚重心のため、実は前脚の方が良く使われている。
- そのため、年齢を重ねると後脚から弱っていくことが多い。
- イヌの歩行は後脚が推進力を、前脚はブレーキ作用と衝撃吸収を。
- 後脚が弱くなり蹴りだす筋肉が硬くなると、身体が丸くなっていく。
- 後脚のマッサージをしてあげることで歩きをスムーズにする効果もある。
- マッサージはやさしくさすり、血行が良くなってから筋肉をほぐしていく。
さいごに
動物の身体は奥深いものです。そんな身体の「奥深さ」を理学療法士という視点、ペット栄養管理士、ファスティングマイスターという観点からわんちゃんとヒトを結びつけて、家族みんなが健康に!といったテーマでブログを書かせて頂こうと思います。
興味のある方は今後ともよろしくお願い致します。
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