セルフマッサージ編

愛犬ちゃんにマッサージをする前に知っておきたい【やってはいけない時と場合~注意が必要な身体の部位】

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疲れているときや身体がガチガチにこっているときにやると気持ちの良いマッサージ。マッサージは血行を良くしたり、リラックスするなどの効果がありますが、血行が良くなるがゆえに逆にやってはいけない時と場合があります。

また、マッサージをして「心地よく感じる部位」と「不快に感じる部位」、「効果が期待できない部位」などが存在します。

「愛犬ちゃんに対してのマッサージに興味のある飼い主様」のために、身体を触るときにおさえておきたい注意点をまとめました。

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ほっとハンド
ほっとハンド
Profile
現役の理学療法士(17年のキャリア)

日本ペット栄養学会ーペット栄養管理士

分子整合医学美容食育協会ーファスティングマイスター

マッサージをする前に知っておきたい

マッサージをやってはいけない時と場合とは?

愛犬ちゃん側の問題として

見て、触って分かる事
  • 炎症がある
  • ヒフの開口や亀裂がある
  • むくんでいる(特定の部位や全身)  など

炎症は、発赤(患部が赤くなっている状態)、腫脹(患部が腫れている状態)、熱感(患部が熱を持っている状態)、疼痛(患部に痛みがある)の4つの症状が主体の状態のことをいいます。

炎症は身体を守るための防御反応です。「体内に入ってきた細菌やウィルスから身体を守るため」や「傷などを修復するため」に患部に向かう血流がよくなる結果、炎症が起こります。

適度なマッサージは血流を良くする効果があるので、炎症がある箇所や傷がある箇所に対してマッサージをすると・・・  ご想像の通り、症状を悪化させる危険性もあるので控えておきましょう。ただし、他の場所であれば大丈夫です。

むくみに関しては、局所的なものと全身的なものがあります。むくみの原因が分からない場合はやみくもなマッサージはNG。まずはお医者さんに診てもらいましょう。

病院で以下と診断された
  • 急性リウマチ
  • 感染症
  • 真菌によるヒフ病
  • 心臓病や内臓疾患
  • 悪性腫瘍  など

リウマチ」は関節に炎症を引き起こす病気です。マッサージの効果で血行を良くしてしまうと炎症を強くしてしまう危険性があります。炎症を引き起こしていない箇所や炎症が落ち着いていたら大丈夫です。感染症真菌によるヒフ病も同様です。

心臓病や内臓疾患で全身や腹部がむくんでいる場合も注意。マッサージ効果による血流upで、各臓器に負担がかかってしまい状態を悪化させてしまうこともあります。。悪性腫瘍による局所的なむくみもあるので同様に要注意。運動やマッサージはお医者さんに確認しましょう。

飼い主様が気をつけたいこと

  • 強いマッサージ
  • 過度なストレッチ(犬の構造を理解せずにやるのは危険)
  • 飼い主様の体調が悪いとき(まずは自身を治しましょう)

ヒトでは強いマッサージを好む方もいます。が、しかし、、愛犬ちゃんには強いマッサージはNG。また、ストレッチも注意が必要です。特に肩関節は構造上「横の動きに弱い」ため「脱臼」を起こしてしまう危険性があります。

また、飼い主様の体調不良は愛犬ちゃんにも伝わります。まずは自身の健康から見直していきましょうね。

マッサージをする前に知っておきたい

注意が必要な身体の部位

マッサージで気をつけたい身体の部位を3つの要素にまとめました。

考えるべき3つの要素
  • 関節
  • リンパ節
  • 神経が豊富な所

この要素を把握することで、

  • より安全に、
  • より心地よく、
  • より信頼関係を深めることができ、

 更なる愛犬ちゃんのご奉仕につながることでしょう。

関節

関節付近は敏感なところでもあり、構造上弱い場所でもあります。

特に膝の前にある膝蓋骨という骨があり、脱臼しやすい骨としてよく知られていてます。この骨は英語でpatella(パテラ)といい、膝蓋骨脱臼のことを「パテラ」とも呼ばれています。

それぞれの関節がすぐに脱臼することはありませんが、やられる側としては関節を直でマッサージされるのは気持ちの良いものではないので、ゆるめに、さする程度で行いましょう。

リンパ節

リンパ節とは体内に入り込んできた細菌やウィルス、ガン細胞をチェックしてやっつけてくれるところ。体内に数百カ所あって、米粒くらい小さいものになります。

リンパ液とは、血液から大きい成分を差し引いたもので無色透明かあわい黄色。栄養分と身体の中のいらなくなったものを運んでくれる役割があります。栄養を届けて掃除もしてくれる便利屋さんです。

リンパ液が流れる速さはヒトで8~12時間かけてゆっくり全身をまわります。対して血液は、わずか40秒で全身をまわります。徒歩とジェット機くらいの差ですね。。そしてヒフと筋肉の間の表層を通っています。

前置きが長くなりましたが、リンパ節周辺はやさしくやってあげましょう。なんせ米粒程度の大きさなので。

ヒトでも同じく優しくが基本。「夕方になると足がむくんでしまう」という方、多いと思います。むくんでいるからといって、両手でギュッと圧迫して戻そうとするとリンパ管が傷んでしまう可能性もあります。ヒトの足がむくんだら、優しくさすること、筋肉を収縮すること、足を上げて高い位置に置くこと、、が大事です。

神経が豊富な所

神経は身体を動かすときに働く運動神経、触った感覚やにおいや味覚や視覚などの情報を感じとる神経、無意識でも働いてくれる心臓や内臓を動かしてくれる神経などなど、、全身にくまなく張り巡らされています。

犬の神経が豊富な身体の部位は、身体の末端に多く存在していて、脚の先端しっぽや肛門といわれています。

顔の中でも最前線にある鼻は神経豊富なのは想像の通り。嗅覚はヒトの数千倍~1億倍感知できるセンサーを持っていてます。目や耳の中、口の中も同じく豊富。耳の中には平衡感覚の神経があります。

脚の先端の肉球や指の間の水かきの部分も神経が豊富。振動を感じとる神経や地面の状態、歩く速度を感じる神経が多く存在します。

しっぽ、肛門付近も敏感な場所です。肛門には「肛門腺」という器官があります。肛門腺からでる分泌液には、自分のにおいを主張したり、排便時の滑りをよくする効果があります。肛門腺は神経や血管が多く、刺激されることで痛みやかゆみを感じます。

感覚が敏感な耳や口の中、水かきの部分などは汚れも溜まりやすいところ。日頃から痛みが出ない程度に優しく触れていって、触られるのに慣れていきましょう。

注意が必要な身体の部位まとめ

マッサージをする前に知っておきたい

まとめ

  • 炎症があるときはマッサージは控えること。(ただし、炎症をおこしていない部位は大丈夫)
  • 病気にかかっているわんちゃんはお医者さんに確認する。(心臓や内臓がうまく機能していないと逆に負担がかかる場合もある)
  • 自分自身の体調を整える。
  • 関節、リンパ節、神経豊富な場所を知っておく。

注意する点に気をつけて、愛犬ちゃんとのスキンシップをお楽しみください♪

さいごに

動物の身体は奥深いものです。そんな身体の「奥深さ」を理学療法士という視点、ペット栄養管理士、ファスティングマイスターという観点からわんちゃんとヒトを結びつけて、家族みんなが健康に!といったテーマでブログを書かせて頂こうと思います。

興味のある方は今後ともよろしくお願い致します。

ご質問やご意見ある方は以下からお問い合わせください。

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