ストレス管理編

愛犬ちゃんの「ストレス」サインを見逃さない! 【犬と信頼関係を築くために知っておきたい事】

daisaku2010ok

ストレスを感じたときのサインを3つの要素に分けてお伝えし、身体の異変や気持ちにいち早く感じ取れるお手伝いができればと思います。

わんちゃんを飼っていると「愛犬ちゃんと話ができればなぁ」と常々思いますが、、残念ながらしゃべってくれません。会話はできませんが、わんちゃんは身体で気持ちや感情を身体で表現してくれます。

この記事を書いた人

ほっとハンド
ほっとハンド
Profile
現役の理学療法士(17年のキャリア)

日本ペット栄養学会ーペット栄養管理士

分子整合医学美容食育協会ーファスティングマイスター
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気づいてあげたい

ストレスサイン

ストレスにはいろんな原因がありますが、適度な刺激は身体的にも精神的にも適応力を高めてくれる良い面もあります。適度なストレスはやらなければならないこと、やりたいことを行動に移す原動力を高めたり、潜在能力を高めてくれます。

ですが、自分では対処できない強いストレス慢性的にストレスがかると病気の原因にもなります。

ストレスのサインは分かりずらく、一つとは限らないため、複数まとめて探していきましょう。ストレスのサインは行動だけでなく、身体に出るサイン(フケや肉球の汗など)もあるので、よく観察してみましょう。

ストレスサインの

チェックリスト

やたらと体や前脚ななめる続ける・噛み続ける・かく、脱毛

我が家の愛犬ちゃんもやたらと前脚の指先を舐めてることがあり、なんで舐めてるんだろう?と思っていました。ですがこの行動、実はストレスサインかも。

体や前脚を舐めたり噛んだり掻き続けることで、舐め続けた前脚が変色していたり、脱色したり、噛んだり掻いたりした場所の毛が抜けてしまったり、皮膚を傷つけてしまったり、傷ついた皮膚から感染症を引き起こしてしまったり、、と別の病気に発展してしまう危険性もあるので要注意。

飼い主様が見ていないところでコッソリやってることもあります。特に抜けやすい前脚やふとももの毛が他の箇所と少なかったり脱毛していないかチェックしてみましょう。

症状がみられたら、まずはストレスの原因を探ることが肝心ですが、意識を脚や体から別のものへ向けてあげるのも一つの手段。例えば、おもちゃをいくつか用意して気をそらしてあげるのも良いでしょう。

ちなみな我が家の愛犬ちゃんは、におい付きの骨型の玩具が効果的でした。

落ち着きがなくなる敏感 過剰に反応

もともと内気な性格や臆病なコは落ち着きがなく興奮しやすくなります、ストレスによりウロウロしたり、やたら興奮することもあります。

ここ最近やたら行動が安定しないなぁ。。なんて思ったら、振り返って考えてみましょう。

食事はたりてますか?多くないですか?運動はできてますか?スキンシップとれてますか?環境は変わってませんか?など思い当たる節があれば修正を。

下痢や食欲不振 過食

食事は普段と一緒なのにお腹が下し気味、、そんな時はストレス性の腸炎を起こしている可能性もあります。【下痢はいろんな原因があるので、まずは病院

下痢をしていなくてもストレスで腸が炎症を起こしていたら痛みで食欲も少なくなりますし、ヒト同様、ストレスで過食になるコもいます。

食欲不振の時にやってはいけないのは、食べるように声掛けしすぎたり、食べ終わるまで食器を置いたままにしたり、大好物をトッピングし続けたりすること。逆にプレッシャーとなってしましまうので注意です。

熱くないのに舌を出してハァハァしてる よだれ ふるえ

わんちゃんが舌を出してハアハアと呼吸することを「パンティング」と言います。わんちゃんは汗をかけないので、身体にこもった熱を口から出して体温調整していて、遊んだ後や暑い時、うれしくて興奮している時などはごく普通に見られる反応です。

ですが、パンティングが長時間おさまらず繰り返している、体温を避ける必要が無いような状況なのにハアハアしてる時は、ストレスが原因であることも。

他にもよだれが出ていたり、ふるえていたり、とストレス反応が複数見られたらストレスの原因を探ってみましょう。

また、【異常なパンティングは熱中症や呼吸器、循環器などに問題を抱えていることもあるので、そういった場合は病院受診が賢明】です。

フケ

肌の乾燥しているとヒトでもフケが出ますが、わんちゃんはストレスにさらされた時、急にフケが噴き出すことがあります。

猫ちゃんが攻撃態勢に入った姿を想像してみてください。

「シャーー-っっ」とうなり、毛を立たせる様子が目に浮かぶことでしょう。急なストレス状態になると、毛を立たせる筋肉が収縮して毛が逆立ちます。すると皮膚にもともとついてたフケが表面化して急に噴き出たような感じがしますが、これがストレスによるフケの正体。

そもそも、ストレスが続くことで乾燥肌になりやすくなります。

ストレスが続く→自律神経が乱れる→血管が収縮状態になり細くなる→細くなることで血流が悪くなる、栄養が届きにくい、代謝が落ちる乾燥しやすくなる、ヒフが弱くなる、フケが出やすくなるヒフの免疫が落ちて感染症を起こしやすくなる、アレルギー症状を起こしやすくなる、、などなどストレスから皮膚疾患にも繋がってしまうのです。。フケを甘く見ないこと!

肉球に汗をかく

わんちゃんは体からほとんど汗をかかないのですが、肉球や鼻先の毛におおわれていない所には汗腺が存在し、そこから汗をかきます。

たくさん運動した後や緊張、不安などのストレスがかかったときに発汗するので、「なにもしていない汗をかいてる」時はストレスサインかも。

身体がこわばる、硬くする

急に身体をこわばらせて硬くすることもストレスのサインかも。

身体がこわばっているか分からないときは、口を硬く閉じているかも確認してみましょう。

瞳孔が開く

これはなかなか分かりずらい。。ですが、注意深く観察しているとリラックスしているときと興奮しているときで目の開き方、特に黒目が大きくなります。

排泄回数が増える、粗相をする

トイレのマナーは習得したはずなのに、、なぜ今になって失敗するの?と感じたらストレスも疑ってみてください。

わんちゃんは些細なことでもストレスを感じることもあります。例えば環境の変化。部屋の模様替えをしたついでにハウスの位置や向きを変えたり、トイレを新しく別のものに変えたり、引っ越しや新しくわんちゃん・猫ちゃんを迎え入れた、、などの環境の変化によりトイレを失敗するコも少なくありません。

また、かまって欲しい気持ちがあふれて、自分に注意を引き付けるためにわざと、、といったケースも。

この、かまって欲しくて粗相をした時の対応は、無視をすることも必要。かまって欲しいのに無視するのはかわいそう、、と思いがちですが、粗相をしたあとにかまってもらえると間違った学習をします。心を鬼にして、粗相後は無関心と無視をつらぬくことが肝心。もちろん、しばらく時間をおいてから、しっかりとスキンシップする時間をとって愛情をそそいであげましょう!

高齢になってトイレを忘れてしまうということもあるので、年齢にも考慮が必要です。

家具やスリッパなどをかじる

ストレス発散だったり、気を引くためだったりと色々なケースがあります。気を引くためにやってしまう行動であれば、先ほどと同様、片付けた後に心を鬼にして無関心と無視の徹底→しばらく時間をおいてからスキンシップや遊びで愛情をそそぐ、もしくは運動不足も考えられるので散歩時間の見直しなどの対策を。

我が家の愛犬ちゃんも小さい頃は靴下やパンツを奪ってはブンブン振り回してました。その姿がまたかわいかったもので、ついついかまってしまったのですが。。その後はご想像の通りです。

ストレス対策という訳ではないですが、わんちゃんの手や口が届く所になるべくものを置かずすぐ片付ける、というのも大事ですね。

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気づいてあげたい

落ち着かせるサイン(カーミングシグナル)

わんちゃんは社会性の高い動物だといわれていますが、集団の中で生活していると、多かれ少なかれストレスを感じるものです。

動物の行動学はオオカミの行動を基本に研究されていて、わんちゃんの表現もオオカミをもとにしています。一つの社会の中で仲間とのムダな対立・衝突を防ぐために「落ち着かせるサイン(カーミングシグナル)」を使うのです。

カーミングシグナルの意味合い
  • ヒトやわんちゃんから威嚇されることを避ける
  • 相手の敵意をなだめて相手にも同じ行動をとってもらい、その場を流す
  • イヤだな~と感じること(不安や恐怖など)を和らげる
  • ストレスや不安にさらされたときに自分を落ち着かせる

などなど、いろんな場面でみられます。なんて社交的なんでしょう♪

ちなみにストレス度としては低めとなっております。具体的にどんなしぐさをするのかみてみましょう。

落ち着かせるサイン(カーミングシグナル)

チェックリスト

  • あくびをする
  • 割って入る
  • においをかぐ
  • 身体をかく
  • そっぽを向く
  • 身体を振る
  • おすわり、ふせ
  • 舌を出し入れする
  • 遊びに誘う姿勢をとる
  • ゆっくり歩いたり、ゆっくり動く
  • 動きを止める
  • 尻尾をふる
  • まばたきをする

このすべての行動が「落ち着かせるサイン」という訳ではありませんが、一つ一つの行動に意味があり、過去の行動を思い返してみてみると、あの時のあの行動は落ち着かせるためのサインだったのかな?と気づきになるかもしれませんね。

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気づいてあげたい

テリトリーのサイン

わんちゃんは自分のスペースを大切にする動物です。我々ヒトも同じように、少し苦手なヒトや見ず知らずのヒトが目の前に来たら「ちょっとイヤだな~」って顔をそむけたりしますよね。

距離はわんちゃんにかかるストレスと大きく関わってくるので飼い主さんも知っておきましょう。

わんちゃんの境界線を3段階に分けると

  • レベル1=問題なし
  • レベル2=警戒
  • レベル3=危険・ストレスMAX 攻撃的

レベル1:なんら問題もなく、リラックスしている状態。なんならへそ天状態。

レベル2:少し緊張もしくは不安になっている状態。

警戒レベル2

チェックリスト

  • 背すじがピッとする
  • 耳を立たせて目線変化のあった対象を向く
  • 口はやや開き気味か閉じる
  • 息をひそめて集中
  • 姿勢はやや前足重心でしっぽは地面に沿ってピーン

レベル3:危機迫るストレス状態で最終的には攻撃するか逃げるかを選択します。

警戒レベル3

チェックリスト

攻撃的な威嚇サイン

  • レベル2より前脚重心で頭を高くして大きく見せようとする
  • 背中の毛が立つ
  • しっぽを高く上げる
  • 歯をみる 吠える うなる

守備的な威嚇サイン

  • 後ろ脚重心でうずくまる
  • 背中の毛は逆立ちする
  • しっぽを丸める
  • 歯をみせる 吠える うなる

最終的な威嚇サインは2種類あり、性格や状況によってサインの出し方が違っているので注意深く観察してみましょう。守備的な威嚇サインは、怖がりなわんちゃんが動物病院の診察台に上がった時にみかけるしぐさです。

また、怖がりな性格だったり、支配性が高い性格ですと近づくほど警戒レベルが上がる傾向にあります。

反対に、社交性の高い性格や、気の置ける家族や仲間が近づくときでは、近くにいるほど警戒レベルが下がることもあるので、性格や状況によりテリトリーのサインも異なります。日頃からわんちゃんを観察して目を養うことが大事ですね。

 

まとめ

今回はストレスのサインについて3つの要素に分けて解説してみました。自分の気持ちを全身で表現するわんちゃんのサインは時と場合によって意味合いが異なり、表現方法も様々です。

そんな必死に訴えている愛犬ちゃんの気持ちを一番に理解してあげられるのは飼い主様。飼い主様の感性だけでなく、犬に対しての知見も取り入れて、より理解を深めてあげたいですね。そして、より良きわんちゃんライフを楽しんでください♪

さいごに

動物の身体は奥深いものです。そんな身体の「奥深さ」を理学療法士という視点、ペット栄養管理士、ファスティングマイスターという観点からわんちゃんとヒトを結びつけて、家族みんなが健康に!といったテーマでブログを書かせて頂こうと思います。

興味のある方は今後ともよろしくお願い致します。

ご質問やご意見ございましたら以下からご連絡ください。

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