食事・体重管理編

愛犬ちゃんのために!免疫に働きかける成分を【食材に落とし込んでみた】

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本日の内容は「免疫に働きかけ、実際の治療薬にも使用されている薬品の成分に着目」し、その成分が含まれているものを食材に落とし込んでみよう。という内容になっています。

もちろん食材を調理しても薬品のような効果は期待できません。ですが、「知識として持っておくこと」、「日頃から少しずつでも取り入れること」で免疫機能を高めることができるはず。

イヌのみならず、ヒトにも効果があるものを選んでみましたので、愛犬ちゃんと一緒に免疫機能を高めていきましょう。

*今回挙げた食材以外にも効果のあるものはたくさんあります。例えばヒトではハチミツやサメ軟骨なども免疫に良いとされていますが、ハチミツは糖質を多く含んでいるためイヌにとっては注意が必要であったり、サメ軟骨に関しては食材としてどうなのか?といったことからあえて外しています。

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ほっとハンド
ほっとハンド
Profile
現役の理学療法士(17年のキャリア)

日本ペット栄養学会ーペット栄養管理士

分子整合医学美容食育協会ーファスティングマイスター

免疫に働きかける成分

AHCC (Active Hexose Correlated Compound:活性化糖類関連化合物)

アメリカの「メディカルフード」にAHCCが使用されています。メディカルフードとは、医師が患者の栄養状態を改善するために使う食品で、科学的根拠がある信頼性の高いものです。

AHCCをざっくりお伝えすると、キノコ系からいろんな工程を経て抽出された植物性の多糖類の総称のこと。。

多糖類とは、、たくさんの単糖類が合体している炭水化物のこと。でんぷんが分解してできるデキストリン、筋肉や肝臓に多く含まれているグリコーゲン、植物繊維の成分のセルロースなどが挙げられます。

有効性・効果
  • 抗がん作用
  • 抗がん剤の副作用軽減
  • 免疫調整作用
  • 感染症防御作用など

根拠となる論文も多く、ヒトへの安全性が確認されている優れもの。

イヌの論文も多い。

食べ物(どんな食材にその成分が入っているか)

キノコ系に含まれている。

複雑な過程を経て抽出されているので、キノコの調理では薬品レベルの効果は期待できないです。。ですが、キノコに含まれる「ビタミンD」「βグルカン」などが多く含まれていて免疫機能に働きかけてくれます。

イヌがキノコを食べる時の注意点として、食物繊維が豊富のため、子犬や老犬、お腹の弱いコには胃腸に負担をかけます。そのような場合は与えるのを控えるか、細かくして消化のしやすい状態にしてから与えるようにしましょう。

核酸

核酸とは、身体の中にあるDNARNAのこと。DNAやRNAは聞き覚えのある名称ですが、簡単におさらいしておきます。

DNAは細胞を作り出す「情報」RNAはその情報をもとにタンパク質を「合成」する役割があります。

例えると、DNAはレシピがたくさん書かれている本でRNAは料理人みたいなものです。

レシピ本にキズが入ってしまい、調味料があべこべな記載になってしまうとどうなるか?料理人はそのレシピ本に忠実に作るので、マズい料理ができ上ってしまいます。。このように誤った情報を元に作り出されたタンパク質が、我々の天敵「ガン」となるのです。

ちなみに、ヒトの身体では毎日「ガン細胞」が5,000個ほど誤って作り出されています。誤ってつくられた「ガン細胞」に対して「免疫細胞」が働きかけて身体を守ってくれるのです。

核酸は肝臓で作られています。肝臓に負担をかけすぎる食生活(飲みすぎ・食べすぎなど)を毎日続けていると、免疫機能も落ちてしまうので要注意!

有効性・効果
  • 術後の回復促進
  • 免疫増強など

根拠となる論文も多く、ヒトへの安全性が確認されている優れもの。

イヌの論文も多い。

食べ物(何にその成分が入っているか)

核酸はアミノ酸の一種

うまみ成分として知られているイノシン酸グアニル酸が核酸に分類されれいます。

(かつお節にも)、豆類、野菜(干しシイタケなどのキノコ類)、昆布などに多く含まれていますが、特に多く含むのがサケの白子

白子はサケの精巣で、犬でも食べられます

与えすぎはNGですが、高タンパクでオメガ3脂肪酸やビタミン、ミネラルを豊富に含みます。

野菜や昆布などでダシをとった汁には、うまみである核酸を多く含んでいるので、ダシ汁をフードにかけてあげても良いでしょう。*調味料は入れていないことが前提です。

核酸について参考にしにた文献

GCP(Genistein Combined Polysaccharide:担子菌培養大豆抽出物)

大豆の抽出物(イソフラボン)とキノコの菌糸体培養抽出物を発酵させてつくられたもの。

有効性・効果
  • INF-γ作用(免疫や炎症反応に関与する)
  • 免疫増強
  • 抗ガン作用
  • 栄養血管新生抑制(血管を守る作用)

GCP単体の研究よりもAHCCと併せて摂取しると効果的という研究が多くある。

食べ物(何にその成分が入っているか)

大豆とキノコ

*大豆を与えるときの注意点

アレルギーを引き起こしてしまうリスクがある。初めて与える際は少量で様子を見てからにしましょう。もしアレルギー症状が出たら今後与えるのをやめる、また動物病院へ受診するようにしましょう。

納豆も良し

納豆にはイソフラボンサポニンといったポリフェノールを含んでいます。また、発酵により大豆にはない栄養成分をつくり出し、栄養面でも消化・吸収面でも大豆より高い効果が得られます。

発酵により生成されるナットウキナーゼには、血栓を溶かす作用血圧降下作用血行促進作用などが期待されます。また、納豆に含まれるビタミンKにはカルシウムを骨に定着させる働きがあり、骨粗しょう症予防にも効果的。

*調理では薬品レベルの効果は期待できないのでご承知おきください。

GCPについて参考にした文献

ラクトフェリン

ラクトフェリンとは乳や、涙、唾液、血液などに含まれるタンパク質のことをいいます。

ヒトの研究のみならず、イヌの研究もされており、免疫機能だけでなく健康に関わるさまざま働きがあります。

有効性・効果
  • 抗菌・抗ウィルス活性
  • 免疫調整作用
  • ビフィズス菌増殖促進作用
  • 抗炎症作用など

食べ物(何にその成分が入っているか)

主に生乳ナチュラルチーズに含まれています。

市販されている牛乳は加熱処理しているため、製造過程でラクトフェリンは減少します。また、牛乳に含まれるラクトースという成分をイヌは消化することが苦手あえて牛乳を与えなくても良いでしょう。

ナチュラルチーズは生乳などを乳酸菌や凝乳酵素で凝固させ、液体成分のホエイ(乳清)を除去したものをいいます。

また、モッツァレラチーズやリコッタチーズ、マスカルポーネ(クリームチーズ)などがナチュラルチーズに分類されています。モッツァレラチーズ塩分が比較的少ないためオススメですが、与える量は注意が必要です。

ちなみにヒトが食べる用で市販されているモッツァレラチーズは100gあたり0.5g程度、プロセスチーズは100gあたり3g含まれる製品もあります。塩分量はパッケージの裏に記載されているため、必ず確認しておきましょう。

イヌの1日に必要な塩分量は、体重1㎏に対して0.05gほどとされています。体重5㎏で0.25g、体重10㎏で0.5g、15㎏で0.75g、20㎏で1.0g…となっております。 与えすぎは要注意。

ラクトフェリンについて参考にした文献

まとめ

 免疫に働きかける成分とその食材

  • AHCC

  キノコ系から抽出されたもの。

  食物繊維が豊富なためお腹の弱いコは注意。

  • 核酸

  核酸はアミノ酸の一種。

  肉や魚、豆類、野菜(干しシイタケなどのキノコ類)、昆布などに多い。

  特に多く含むのがサケの白子。

  • GCP

  大豆とキノコの菌糸体培養抽出物を発酵させてつくられたもの。

  大豆とキノコに含まれている。

  • ラクトフェリン

  主に生乳やナチュラルチーズに含まれている。チーズは塩分に注意。

  モッツァレラチーズは塩分量が少ないためOK。

  ただし、塩分量は確認しておきましょう。

実際の治療薬やサプリの成分を食材に落とし込むという無理のありそうな内容でしたが、普段から食材に心がけることが大事だと思います。

イヌの文献の数はヒトと比べて少なく、ほとんどが海外の文献となっております。紹介した文献は和訳すると大まかには分かるかと思いますので、気になる文献があればご覧になってください。

では、よきわんちゃんライフを!

さいごに

動物の身体は奥深いものです。そんな身体の「奥深さ」を理学療法士という視点、ペット栄養管理士、ファスティングマイスターという観点からわんちゃんとヒトを結びつけて、家族みんなが健康に!といったテーマでブログを書かせて頂こうと思います。

興味のある方は今後ともよろしくお願い致します。

ご質問やご意見ある方は以下からお問い合わせください。最後までお付き合いしていただきありがとうございました。

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