愛犬ちゃんの身体からのメッセージを理解する【スキンシップで分かる情報】
いぬは言葉を話せないので、感情表現をボディーランゲージとして身体で表現してくれます。飼い主様が見てわかる情報として感じ取ることができます。
ボディーランゲージ以外にも普段のスキンシップで身体の訴えに気づくことができます。例えば、ヒフや筋肉の質感、ボリューム、ヒフの温度などが挙げられます。
今回は飼い主様が触ってわかる身体の情報をテーマにまとめてみました。愛犬ちゃんの身体からの訴えに気づくきっかけができればと思います。
この記事を書いたひと
犬の整体師
日本ペットアロマホームケア協会認定アドバイザー
日本ペット栄養学会ーペット栄養管理士
分子整合医学美容食育協会ーファスティングマイスター
触ることで分かる身体からの情報
愛犬ちゃんを触っていると飼い主様の手からいろいろな情報が伝わってくるのが分かります。
- ヒフの柔軟性(硬い場所、柔らかい場所)
- 筋肉の柔軟性(硬い場所、柔らかい場所)
- ボリューム感(弾性)
- ヒフの温度差
- しこり
- 左右差(上記内容の左右の比較)
- 呼吸の深さ など
ヒフの柔軟性
ヒフは3つの構造に分かれていて、表層から表皮、真皮、皮下組織と呼ばれる組織から成り立っています。真皮はコラーゲンを多量に含む組織で、皮下組織の大半は脂肪組織でできています。ヒフの厚さは約2ミリ程度で、ヒフは体重の約15%程度を占めていると言われています。
皮下組織の下に筋肉があり、ヒフの動きが悪いと筋肉の働きも悪くなります。「筋肉の働きが悪くなる」ということは、その分「よけいに筋肉を働かせないといけない」ということになります。
よけいに筋肉を働かせるために筋肉が疲れやすくなり → すぐ疲れるからだんだん動かなくなる、散歩も行きたがらなくなる → おとろえる・・・
また、筋肉に疲労がたまっていくと筋肉自体も硬くなり、関節も同時に硬くなっていく → 姿勢も崩れる・・・ という負のループにおちいってしまいます。
ヒフの柔軟性はヒフをつまんでみたり、スライドしてみながら確認します。ヒフがつまめない時はどの程度スライドできるかみてみましょう。
ヒフを動かしたときに痛がったり、嫌がるときはムリにやらないようお願いします。
筋肉の質感
筋肉は指先でさわると圧が一点に集中して不快な刺激となるので、指全体で優しく包み込むようにさわってあげると良いでしょう。軽く押してみてほどよい弾力があれば良い状態です。
左右同じ箇所をさわってみて、筋肉の「硬さ」や「ピーンと張っている感じ」といった質感を確認してみます。
筋肉の「硬さ」は、筋肉の使い過ぎや筋肉の緊張状態が続いている、短縮した状態が続いている時などに生じやすくなっています。筋硬結と呼ばれるもので、ゴリゴリとした硬い質感があります。
筋肉の「張り」は、筋肉が伸張された状態で収縮している状態が続く場合などに生じやすくなっています。筋硬結とは違う「ピーン」と張ったような質感があります。
まずは筋肉の「硬さ」から優しくほぐしてあげましょう。
ボリューム
主に筋肉の左右差を感じ取ってみましょう。
よく使っている筋肉はボリュームがあり、逆に使っていない筋肉はボリュームが少なく感じます。左右で同じ筋肉をさわってみると「差」を感じ取ることができます。ヒト同様に身体の使い方のクセや習慣などで左右差が生じます。
ヒフの温度差
ヒフの温度差をみることで、血液循環を感じ取ることができます。炎症が起こっていれば患部に熱感があります。逆に冷えている箇所があれば、血液の循環不良になってている可能性があります。
また、適度に使っている筋肉周辺は血行が良く、あまり使っていない筋肉は血行不良の傾向にあります。
しこり
筋肉ではない質感・・ 全体をさわってみて、特に赤みもなく一か所だけポッコリ出ている所を見つけたらしこりかもしれません。ただの脂肪のかたまりだったり、腫瘍であったり。見た目では良性なのか悪性なのか判断できないので、見つけたら獣医さんに診てもらいましょう。
呼吸の深さ
リラックスしている時はゆっくり大きい呼吸、逆に緊張していたり、不快な刺激が入ると速く浅い呼吸になります。マッサージをするときは呼吸を見ながらリラックス状態を確認できるので、愛犬ちゃんの気持ちにより添えますね♪
より効果的に感じ取るために
やわらかく触る
ヒトの手の感覚はとっても優秀。なんと幅13ナノメートルの表面を触って感知できるほど……
13ナノ… ??
数字で言うと1ミリメートルの1/1,000が1マイクロメートル、そしてその1/1,000が1ナノメートル。。? えーっと、、ヒトの手の感覚はとにかく、ものすごーく優秀ってこと!
ということで、愛犬ちゃんに触れば、左右差や毛並みやヒフや筋肉の質感など、大まかな事は分かってきます。ただし、、それだけ繊細な感覚センサーがゆえに、強く触ってしまうと感知しにくくなります。柔らかい手をイメージしながら触ってあげることが大切です。
飼い主様自身の体調面を整える
例えば、風邪ひいていたり二日酔いのように、頭が痛くて吐き気がするような状態では……繊細なものを感じ取るどころではないのはご想像のとおり。何はともあれ、ベストコンディションの時が一番。
飼い主様の姿勢を整える
姿勢が崩れていると感覚センサーが鈍くなることが知られています。良い姿勢を日頃から意識していくこと、自身の健康にも気遣うこと、それが愛犬ちゃんを感じ取る第一歩なのかな~と思います。
まとめ
- 手で触ることで分かることもたくさんある。
- 柔軟性やボリューム、温度をみてみる。
- しこりがあったら獣医さんにみてもらう。
- 左右で比べてみる。
- 触るときは柔らかく
- 飼い主様自身の体調や姿勢も整えた方が良い。
いぬは話ができない分、いろんな角度から愛犬ちゃんをみてあげたいですね。日頃のスキンシップで「あれ?前より硬くなってきてるかな?」と思ったらマッサージしてあげたり、散歩の時間を調整してみたりと対応の幅も広がります。
大事なのは「気がつく」こと「必要に応じてアクションを起こす」ことかと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
さいごに
動物の身体は奥深いものです。そんな身体の「奥深さ」を理学療法士という視点、ペット栄養管理士、ファスティングマイスターという観点からわんちゃんとヒトを結びつけて、家族みんなが健康に!といったテーマでブログを書かせて頂こうと思います。
興味のある方は今後ともよろしくお願い致します。
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