愛犬ちゃんは何にストレスを感じるの?【4つの要素から原因を探る】
いぬのストレスの原因は実に多種多彩。
「いたずらして飼い主様から怒られたー」とか、「なんだか調子が悪い」、、などの日常の些細なことから遊びや散歩が少ないといった不満、空腹、暑さ寒さ、騒音、、などなど
ストレスと感じるものをタイプ別に4つの要素にまとめました。4つの側面から考えてあげることで多角的にみることができ、確認事項のモレを防ぐことができます。それぞれの要素のチェック項目を作りましたので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは「ストレスを感じたときのサイン」を知ることが大事なので、「ストレスのサインて?」という方は下記の記事をご参照ください。
この記事を書いたひと
犬の整体師
日本ペットアロマホームケア協会認定アドバイザー
日本ペット栄養学会ーペット栄養管理士
分子整合医学美容食育協会ーファスティングマイスター
4つの要素
- 身体的ストレス
- 心理的ストレス
- 環境によるストレス
- 生活習慣によるストレス
ひとことで「ストレス」といってもいろいろあります。まず、4つに分解して、それぞれの項目に対しストレスと感じる具体的な例をあげていきます。
身体的ストレス
- 病気
- 痛み
- かゆみ
- 空腹
- のどの渇き
- 疲労
- 排泄の我慢 など
心理的ストレス
- 不満、不安
- 孤独
- 恐怖
- 怒られた
- 愚痴をずっと聞かされる
- 緊張
- 自信喪失
- 興奮
- におい
- 退屈 など
環境によるストレス
- 気温
- 寒暖差
- 気圧
- 騒音
- 引っ越し
- 明るさ など
生活習慣によるストレス
- 運動不足
- 睡眠不足
- 食事
- 生活リズム など
4つの要素のチェックリスト
それぞれの項目のチェックリストを作成しました。より具体的に、どんな「状態」どんな「状況」どんな「環境」なのかといったところまで落とし込んでみました。
身体面のチェックリスト
身体面のチェックリスト
- 呼吸状態(息があらい、ヒューヒュー、ガーガー、ゼーゼー)
- 下痢、便秘
- 嘔吐
- ヒフの色(発赤、黄色っぽい、青紫や赤紫)
- におい(特に耳、口元、身体)
- 涙、めやに、目の充血
- 舌・歯茎の色
- 鼻水、くしゃみ、咳
- かゆがっている
- 傷
- 腫れ
- いぼ・ほくろ
- しこり
- 汚れ
- 毛の状態(もつれ、パサつき、あぶらっぽい、脱毛、フケ)
- 運動の量(いつもと比較して)
- 水分の量
- 前回排泄してからの経過時間( 時間)
- 前回食事からの経過時間( 時間)
いぬ&ひとサポーター
まずは身体面のチェックをして、目に見える表面的なものを身体の全体をくまなく観察。
リスト上記の明らかに呼吸がいつもとおかしいとか、下痢をしている、嘔吐を繰り返すなどの身体の異変があったらまずは動物病院へ行くのが安心ですね。
いぼやほくろに見えるものの中には、実はマダニだった!ということもあります。余談ですが、我が家の愛犬ちゃんも、「こんなところにイボなんてあったっけ?」と思ったらマダニでした。。マダニは無理やり取ってしまうと炎症を引き起こす危険性があるそうです。見つけたら病院でとってもらいましょう。
心理面のチェックリスト
心理面のチェックリスト
- ひとりでいる時間に慣れているか
- ひとりの時間が確保されているか
- スキンシップの時間 ( 少な過ぎ 多過ぎ )
- 家族内でのケンカや息子や娘を怒った、どなった
- 悪態についつい怒り過ぎた、どなってしまった
- 飼い主さんの機嫌がわるい
- 飼い主さんの愚痴をずっと聞かされている
- 飼い主さんが愛犬に対して過度な期待をしている
- ルールがない
- におい(柔軟剤、アロマなど)
- 慣れない、苦手な場所
- 嫉妬心
いぬ&ひとサポーター
ひとりの時間とふれあいの時間
いぬの祖先はオオカミ。オオカミはボディランゲージが豊富でいろんな形で感情を表現し、社会性あふれる動物で知られています。群れで生活している為、一人の時間が多いと寂しい気持ちになり、ストレスを感じやすくなります。
反対にかまい過ぎてしまうのもよろしくない事項。いぬの性格も十人十色ですし、落ち着きたい時間帯もあります。ヒトとの付き合いと同じで、ちょうどいい距離感が大事ですね。むずかしいですが。。
家族との関係性
「夫婦喧嘩はいぬも食わない」といいますが、家族内でのケンカをみるのも聞くのも、愛犬ちゃんを悲しい気持ちにさせてしまいます。
いぬにとっては家族全員が大切な存在。ケンカや叱る際は手短に、もしくは愛犬ちゃんの前ではやらない。。どうしてもの場合は「別の場所」や「別の部屋」で。
ルール
なかなか難しいのがルール。ルールがバラバラだと、どうやって行動したら良いのやら分からなくなってしまい、不安な気持ちや自信の喪失につながってしまうことも。
ヒトも「常識」といった暗黙のルールのもとで安心して生活ができます。ですので家庭内のルールは愛犬ちゃんの安心にもつながります。○○をしたら必ず褒める、叱る、の線引きはブレずに行いっていきたいですね。叱る時は手短に褒めるは多めに。
におい
においについてはご承知の通り敏感です。どのくらいかというと、いぬの嗅覚はヒトの数千倍~1億倍感知できるセンサーを持っています。ここで間違わないでほしいのは、「いぬはヒトよりもにおいを強く感じている訳ではない」ということ。かぎ分ける能力が優れているという事なのです。
洗濯に柔軟剤問題が取りあげられますが、”におい”ではなく“成分”に問題があるのです。。香料の成分には、いぬやねこにとって有害な化学物質が含まれていていることもあり、それにより体調不良や中毒症状を引き起こす危険性もあります。よく耳にする「植物由来」といった商品。。特にねこは植物性の油脂を分解できず、体内に蓄積してしまい中毒を引き起こしてしまう恐れもあります。
柔軟剤だけでなく、アロマや香水、たばこの煙なども要注意。
環境面のチェックリスト
環境面のチェックリスト
- 室温は適温か
- 引っ越し
- 新しい家族が増えた
- 飼い主様のライフスタイルの変化
- 部屋の模様替え
- ハウスやトイレの変更
- ハウスやトイレの移動や向きの変更
- 床が滑りやすい
- 騒音(テレビ、掃除機など)
- 部屋の明るさ
- 天候(気圧の変化)
- 地震、かみなり
いぬ&ひとサポーター
室温
適温に関しては、長毛犬で15~20℃、短毛犬で20~25℃といわれています。
暑さに弱い犬種として、シベリアンハスキーなどの寒い地方原産の犬種、パグなどの短頭種(鼻ぺちゃちゃん)、ゴールデンレトリバーなどの長毛で毛の密度が高い犬種など。
寒さに弱い犬種として、チワワなどの小型犬、トイプードルなどのシングルコート(毛の密度が低い)の犬種、イタリアングレーハウンドなどの短毛種など。
また、室内犬は室内で慣れているので適温を好みます。愛犬ちゃんの様子を見ながら、温度の管理をしていきましょう。
環境の変化
引っ越しなどの大きな環境変化から、模様替えやトイレの位置変更まで、大小関わらずいぬにとっては大きな変化。些細な環境変化でもストレスサインが続くようなら戻してあげましょう。大きな環境変化に関しては、安心できるスペースを確保してあげること(慣れ親しんでいるハウスやおもちゃ)や寄り添って慣れるまで様子を見守ることも大事。
コロナによりライフスタイルも影響が及んだ飼い主様も多くいらっしゃるかと思います。リモートワークが多くなったことで愛犬ちゃんとのスキンシップ時間が増えたり、逆に勤務時間が長くなって関われる時間が減ってしまったり。
床など
床の滑りはちゃんと歩けないストレスに加えて、関節をいためてしまう原因にもなります。滑り止めのマットを敷くなどの対策を。
生活音もわんちゃんにとってはストレスになることが研究でも明らかになっています。生活リズムを大きく崩すような時間帯にやらない、などの気遣いをすることが大事なのかなと思います。部屋の明るさも同様ですね。
生活習慣のチェックリスト
生活習慣のチェックリスト
- 散歩もしくは運動の習慣
- 食事量(多すぎ、少なすぎはないか)
- おやつの量(おやつをあげる際はご飯の量を調整しているか)
- 生活リズムが一定であるか
- 睡眠不足
いぬ&ひとサポーター
生活習慣病という言葉があるくらい健康に大きく関わるのが「生活習慣」。今回のテーマでもある「ストレス」にとどまらず、じわじわと身体にダメージを与えていきます。最終的には多岐にわたる病気になる恐れも。
運動量
散歩に関しては、理想は1日2回、小型犬で20~30分程度、中型犬で20~40分程度、大型犬で30~60分程度。ちなみに、肥満犬のダイエットには1日2回、20分休まず歩くと効果がある、といった文献もあります。
食事
ヒトではついつい暴飲暴食をすることもあるでしょう。ですが、いぬにとってはご飯やおやつは飼い主様のさじ加減。いぬに合ったカロリーでご飯の量を測っていますか?目分量ではあてにはならず、体重が安定しない事もあるので、計量器でしっかり測ることをおすすめします。
生活リズム
ご主人様の夜更かしなどの生活リズムの乱れは、愛犬ちゃんの睡眠時間や生活リズムにもダメージを与えます。もし夜中に作業をしなければならない時は別の部屋で作業したり、音量を出さないようイヤホンにする、照明を落とすなどの配慮をしていきましょう。
まとめ
- 愛犬ちゃんのストレスの原因を4つの側面からみていくと理解しやすい
- 身体面、心理面、環境、生活習慣 からみてみる
- それぞれを深堀するためにチェック項目を活用する
ストレスの原因を4つの要素の分けることで、違った角度からみていけるようになります。原因を知ることで対処方法も変わってきますので、参考になれば幸いです。
この4つの要素は飼い主様自身の健康の要素にもなります。飼い主様自身が体調を崩したり、ストレスをため込んでいたら、この4つの側面でみてみてください。きっとお役にたてるかと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
最後に
動物の身体は奥深いものです。そんな身体の「奥深さ」を理学療法士という視点、ペット栄養管理士、ファスティングマイスターという観点からわんちゃんとヒトを結びつけて、家族みんなが健康に!といったテーマでブログを書かせて頂こうと思います。
興味のある方は今後ともよろしくお願い致します。
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